近藤貴馬(西喜商店 四代目)のブログ

京都の老舗青果店、西喜商店の四代目。㈱セガにて6年間営業職を務めた後、㈱地元カンパニーに入社。「地元のギフト」事業の全国展開を担当。営業のみにとどまらず地域に関わる様々な業務をこなし、2015年に京都にUターン。現在はリノベした京町家に住みながら、西喜商店の事業拡大に取り組む。

若さへの嫉妬

僕が20代の時に30代だった人がどう思っていたかはわからないし、

僕は平々凡々とサラリーマン的20代を過ごすしか無かったので、

どうとも思われていない存在でしたが、

京都に帰ってきてから沢山の20代の人に会うようになって、

さらに最近その頻度が増えてきて、

今はすごい20代の人が多くて、とても嫉妬する毎日です。

僕という人間は嫉妬心の塊で、

常々誰かに嫉妬していて、

自分にできないことをされると羨ましいし悔しいしむかつくなぁと思うんですけど、

その対象が前は地域のスーパースター軍団だったのに、

最近は20代の若者に向いている。

ないものねだり。隣の芝生は青い。

子育てに追われるとついつい若さを求めてしまう。

若いうちにチャレンジできるっていいなぁ。

それで、日本の未来は明るいじゃないか、と思ったのでなんとなく書きました。

 

埋まらない父親との溝

セガレ・セガール復活!とは威勢よく言ってみたものの、

跡継ぎの当事者となった自分は一向に父親とうまく言っていない。

ネガティブなことを書くと一定の人からお叱りを頂戴しますが、

それでも世の中に数多いるであろう、

同じ跡継ぎで悩み葛藤する人の共感、愚痴の捌け口になればと思って

書いてみる。

正直って商売の方はかなり軌道に乗ってきた。

注文も増えてきた。

そして、注文が増えれば増えるほど父親はキレる。

窓口が2つあるとややこしいので、市場への発注は父親が担当している。

少しでも複雑な注文があるとキレる。

例えば果物を熟させておきたいので、3日後にこれをというだけでキレる。

明日分とこんがらがるからキレる。猿だ。申年だ。

メモを取ることを知らない。

記憶という行為を知らない。

 

今日は店を開けてから2年半使っている洗剤の容器と

霧吹き用のスプレーを間違えて切れた。

2年前に言って欲しい。

 

客がほしいと言っているものを売らずに、

自分が売りたいものを売る。そして俺はクレームを受ける。

自分は良いと思ったものが全て。人の意見は知らない。昭和の世界だ。

人の意見を聞かないのではなく、他人に意見があることを知らない。

大変なことだ。

こうなる理由の一つは、彼らは金に困っていないということもあるだろう。

もう自分が死ぬまでの部分は稼いだし。

 

親子で仕事をするというのは本当に大変なことだ。

親にとって自分の息子はいつまでもこどもなのだろう。

今日はいちごを冷蔵庫に入れておけということを3回言われた。

僕もなるべく寄り添おうとは思うが、向こうにその気持ちが無いので難しい。

いまだに八百屋を止めてほしいと思っていることだろう。

死ぬまで分かり合うことはないし、

死なないと問題は解決しないと思う。

 

それでも僕は近藤家を守るために八百屋を続けようと思っている。

それが自分の使命であり、自分にしかできないことだから。

 

多くの跡継ぎの人が同じことで悩んでいると思う。

父親とうまく事業をしている例はほとんど聞いたことが無い。

できることはみんなであるある〜と共感しながら酒を呑むことだけか。

おかんは応援してくれるのにね〜とかマザコン全開させながら。

あるある〜って言ってくれる人、絶賛大募集!

 

 

 

八百屋が働き方改革の議論に参加したら貧困問題に直面してしまった話。

昨日訳あって、教育関係のシンポジウムに参加してきました。

某大手人材系企業の急先鋒みたいな方の、

働き方改革についての講演の後、

参加者でグループディスカッションみたいな流れ。

 

講演の内容は、AI全盛時代の到来、副業推進、クラウドソーシング、

ICT活用、二拠点居住とこれからのトレンドをおさらいする感じ。

それを踏まえてこれからはより、個と個の関係性で仕事は生まれますよ

という話で、僕的にはふむふむ〜なのですが、

参加者の多くは学校の先生方で軒並み皆様厳しいお顔。

 

なんでブログに書こうかと思ったのかが、ここからなのですが、

そのあとのグループディスカッション内容が鮮烈だった。

僕のグループは、お一人金融機関の方で、あと4人が学校現場の方。

みんなしかめっ面。議論が進まない。

開いた口から出てきた言葉は、

「貧富の差がますます加速する公立学校の現場で、

 君たちが働く頃には社会にAIが完全普及して、

 今の働き方が通用しなくなると伝えたところで、

 どれほどのこどもがそれに対応できるのか」

「15〜20年まえであれば、それも踏まえてある種の強制力を

 働かせることができたが、モンペ全盛のこの時代に

 こどもたちに強く言えない。説得力が効かない。」

「現場の教員はそういう悩みが尽きないことと

 個別対応が多すぎて、とても働き方改革なんかできない」

という後ろ向きな議論に終始しました。

 

うへー、暗いーと思ったんですけど、ここでもやっぱり貧富の格差。

結構強烈でした。

何回か書いてるんですが、八百屋で野菜売っていると

本当に貧富の格差の拡大がよく分かるんです。

それが資本主義社会の経済原理なので正しいんですけど、

僕がいつもシェアするおいしい野菜はお金がある人が買っていく一方で、

毎日ベビーカー押しながら見切り品だけ買っていく若いお母さんもいるんです。

そういう人たちが育てるこども、あるいはその人達に、

はい来年からAI化するんです、その仕事無くなります、

とか言ってももうなんにも説得力ないし伝わらないんですよね。きっと。

今生きるのに精一杯すぎて。

 

実際の中学生と会って話したわけじゃないのでわからないんですけど、

教育格差もこれからさらに進むだろうし、

どうしたらいいんでしょうね。

今ぼくがやっているフードロス対策、

あるいはこども食堂、コミュニティ食堂への支援。

この辺わりと重要な気がする。

学校で支えきれなくなったものを受け止める現場、

こどもの健康をどうやって支えるか。

その先あるのが未来の働き方改革?

 

悩ましいなぁと思ったので、思わず書きました。