近藤貴馬(西喜商店 四代目)のブログ

京都の老舗青果店、西喜商店の四代目。㈱セガにて6年間営業職を務めた後、㈱地元カンパニーに入社。「地元のギフト」事業の全国展開を担当。営業のみにとどまらず地域に関わる様々な業務をこなし、2015年に京都にUターン。現在はリノベした京町家に住みながら、西喜商店の事業拡大に取り組む。

一億総常連社会への希望

いや、タイトルは適当なんですけど。

うちには三十年来の常連のおばあちゃんが2人いるんですけど、

それはまあオトンのお客さんなんですけど、

まあそんだけ付き合いが長いといろいろオマケして売りますし、

それもエエもんを安く、ですよ。

見ててエエ買いもんしはるなぁと思うわけです。

ええくだもんほしいねん。

ほな鳥取のええスイカどや、ちょっと余ってるし安しとくわ、

ついでになすびどや、まけとくし。

こんな寸法です。

 

僕も、八百屋になってもうすぐ3年で、

たくさん野菜を買ってくれる仲の良い友達も増えてきて、

そういう友達には相場よりずいぶん安く売ったりするわけですけど、

喜んでくれるじゃないですか。うちもまとめて買ってもらえたらありがたいし。

 

店に来てじーっと値札だけ見てチョロチョロ買うより、

欲しいものを気前よく買っていくほうが後々絶対得なんですよね。

それも、今流行りの信用貯金なんじゃないですかね。

馴染みの店で買うのが当たり前だった昔からある考え方だなと改めて。

 

僕も例えばお肉はとなりのお肉屋さんで買うわけですけど、

隣のお肉屋さんもうちで野菜を買ってくれるので、

お互い持ちつ持たれつ。

豚バラ買ったらちょっとオマケしもらったりっていう日常です。

京都は個人商店がまだ残っている街だから常連になりやすいよね。

別に何千円何万年払えって話ではないですよ。

値札見て一時の十円二十円で買うのをためらうより、

お店の人の顔を見てモノを買ったほうが生きてて楽しいよねっていう、

豊かさとは、みたいな曖昧な言葉の解の一つは常連社会なんじゃないかという、

そんなお話です。


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「地元のカタログギフト」の制作を手伝ってくれる仲間を募集します。

仲間を募集します!

(有給の学生インターン的な関わりが一番やりやすいと思います)

西喜商店という創業90年ちょっとの八百屋をやっています、近藤です。

ただの八百屋にならないように日々いろいろなことを考えています。

僕の大きな特徴として、「地元カンパニー」という会社で働いていたことが

挙げられるのですが、

www.jimo.co.jp

 

地元に人が戻ることを是としていて、

ありとあるゆる場所で地元地元と連呼する会社でした。

その基盤となるカタログギフトの事業がかなり拡大してきて

(僕が会社に居たときは両手で数えられるくらいの地域数しか無かったのですが)

その勢いに加担したいなと思っています。

 

gift.jimo.co.jp

 

このカタログギフト事業がなかなかいい感じでして、

「地元のカタログギフト」という事業名なのですが、

一言で言うと、

産地直送で生産者から受け取る方に直接商品が届くカタログギフトです。

デザインはこのようになっています。

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一般的なカタログギフトのように、冊子型ではなく

カード形式です。

作っている人とその事業を継ぐ人の二人が映っていて、

この人達が作った商品を直接お届けしてもらう仕組みです。

裏面には商品詳細と、商品にまつわる思い出話が書かれています。

 

カタログギフトは基本的に「信州のギフト」とか「名古屋市のギフト」のように、

地域ごとに商品をまとめているので、

自分たちの地元や好きな地域のカタログギフトを贈りたい人に贈ることで

自分たちの地元や好きな地域のことを伝えられる仕組みになっています。

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用途は、結婚式に引き出物が多かったのですが、

最近は企業さんのノベルティ商品として扱われることも増えてきました。

既成品ばかりのカタログギフトに対するアンチテーゼ的な側面もあります。

 

僕も「京都府のギフト」を自分自身で作りました。(取材に行きました)

(取材は地元カンパニーにいるときもあちこちに行きました)

giftfromkyoto.amebaownd.com

 

そこで本題ですが、

関西方面でこのカタログギフトの商品を増やすために、

仲間を募集します。

常勤で人を雇用する余裕は正直ないので、

地域で働くことに興味がある学生さんを対象に、

インターンシップ的に活動してもらうことを考えています。

制作してもらった分の報酬や交通費は支払います。

 

やってもらうことは上で紹介した商品カードの制作業務です。

具体的には、

・つくり手さんへの取材

 遠方の方とのやりとりはビデオチャットがメインになると思います。

 場合によっては現地に行くこともあるかもしれませんがその辺は相談で。

・取材した会話の文字起こし〜記事制作

 ライター見習いみたいな。これまで培ったフォーマットがあるので、

 制作自体は簡単です。

・ブログやSNSを使った情報発信

 活動履歴をブログやSNSに残してもらおうかと考えています。

  

 

得られる経験は、

・ライティングの経験

 (僕はプロのライターでないので、ライティングの技術は教えられないのですが、

  プロのライターさんと仕事をしたことがあるので、

  書物の仕事はこういう流れで進むんですよ、ということは教えられます。)

・バイヤーとしての経験

 (基本的な商談は僕が主体的に行いますが、

  希望があればやってもらっても大丈夫です。

  バイイングっていい商品を買うだけではなくて、

  地味な調整ごとの方が多いので、その経験ですね。)

SNS運用ノウハウ

  就職する前に、SNSのビジネス運用を知っておくと、

  就職先で重宝がられるかもしれません。

・近藤のネットワークを使える。

  (地方で頑張っている人の知り合いが多いので、

  そういう方と会いやすい)

このあたりかと思います。

拠点は私の店、西喜商店になるので京都です。

 

取材は面白いです。

農産物、加工品問わず、作っている人がどういうことを考えて、

ものづくりに取り組んでいるか。それは作っている人によって千差万別です。

知れば知るほど、野菜や果物を作ることの尊さと苦労がわかります。

購入すること、食べることを大切にするようになります。

そして、それぞれの作り手の思いを形にして、

世の中の人々に見てもらえることができるので、グッと来る仕事です。

 

地域で働く、地元で働く、ローカルで働く、跡継ぎ、セガセガール

みたいなキーワードが刺さる方が良いと思います。

学生のうちに(学生さんでなくても大丈夫ですが)いろいろな人に会って、

知見を広めたい(特に地域で働くということについて)方が良いと思います。

また、僕はこのカタログギフトの事業以外にも様々な地域の方とやりとりをしていますし、

イベントも自分で企画したり参加したりしているので、

そういうところに同行してなにか吸収してやろうという気概のある方が

良いと思います。

なんだったら自分でカタログギフトで売って自分の事業にしてやろう、

くらいの意気込みでもOKです。

会社じゃないし、僕も一つ一つ丁寧に指示をすることもないので、

自分で考えて行動できるし、

仲間って書いたようにな感覚で来てもらえるとうれしいです。

 

詳しい話を聞きたい方は

toma@nishikisyouten.com

までご一報ください。

よろしくおねがいします!

僕の本業については、

西喜商店のサイトをご覧ください。

nishikisyouten.storeinfo.jp

 

 

 

 

跡継ぎどうする?

そういうタイトルのイベントを昨日やってきました。

(主催はまちごと総研のまっくすです。いつもありがとうございます)

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最初は10人位でぺちゃくちゃお菓子でも食べながら、

茶話会的なイメージで請けていたのですが、

あれよあれよと言うまに約30人の参加者に。

主催者の集客パワーもさることながら、

跡継ぎというテーマの注目度がそれだけあがっている証拠ですよね。

参加者は既に継いでいる人もいれば、これからの人もという感じでした。

とにかくすごい熱気でした。

話を聞いてほしい!(僕含め)という空気がすごかった。

 

それで、思ったんですけどやっぱり時代が完全に次のステージに変わりましたね。

ぼくがモヤモヤ悩んでいる頃〜京都帰るまでの間、

つまり2010年頃から2015年頃にアクションを起こそうとしていた人達は

概ねなんらかの行動を起こして一区切りついた。

これはすなわち地域(特に田舎暮らし方面)移住ブームみたいな

現象だったと思うのですが、ここ1〜2年は動きも穏やかになってますよね。

移住して落ち着いてその地場に根を張って事業を続ける方が増えたり、

所帯をもって社交場に行きづらくなったりということで、

動きが落ちついてみえるようになったと理解しています。

 

一方で時代は進んで、新たな世代が社会人生活を一定期間経験して

モヤモヤゾーンに突入したり、あるいは働き方を変えたいと思う人がまた

表出してきた。

そんな空気の中でまた違う切り口で人の移動が始まりそうな雰囲気を感じます。

それが「地方都市」移住な感じがします。

その足がかりになるのが跡継ぎ、事業承継なんだろうなと思います。

跡継ぎは何も親子だけじゃなく、

最近はリノベーション事業承継(©奥村聡さん)ということばも

出てきていますので、第3者継業も含め、ですね。

www.office-okumura.jp

 

東京暮らしに疲れて悩んでいる若い人が次にどこに目を向けるのか。

田舎暮らしはハードル高いし、もうだいぶやり切られている感じがある。

そもそも20代はfacebook見てないからもはや田舎暮らしの情報も

届いていないかもしれない。

それより地元に戻って自分なりの暮らしを作り上げたい。

地元で徒党を組んでみんな楽しいことやってインスタストーリーで

ワイワイ楽しくやりたい(これすら古いか…)

ただ、一から起業する根性はない(僕のことです)

そんな感覚の人には跡継ぎは選択肢としてありありで、

そういう世の中に変わっていったほうが良いのかなと。

 

昨日30人も集まったのはそういう時代になった証拠なんだと思います。

これから多分地域おこし協力隊みたいな感じで、

国から補助金つくような事業が生まれるニオイもします。

僕、昔から実家おこし協力隊って言ってるんでその暁には補助金ください。

まあ常に面白そうな波に乗っていたいので、

跡継ぎ界隈が面白いと言われる空気を作っていきたいなと、

雨で市場も休みなのでそんなことを考えていました。

 

そういう意味でセガレ・セガール復活は大いに意義があるなぁ。

盛り上がると良いなぁ。