近藤貴馬(西喜商店 四代目)のブログ

京都の老舗青果店、西喜商店の四代目。㈱セガにて6年間営業職を務めた後、㈱地元カンパニーに入社。「地元のギフト」事業の全国展開を担当。営業のみにとどまらず地域に関わる様々な業務をこなし、2015年に京都にUターン。現在はリノベした京町家に住みながら、西喜商店の事業拡大に取り組む。

自分の理想の働き方について

働き方改革という言葉を目にするたびに

一回自分はどうなんだろうということを書いておきたい気持ちがあって、

こういう時代なのでみんなが悩んでいることだと思いますが、

正解のない問題解決は難しいですね。

最高の妥協点の立案ですから。

 

そもそも僕が八百屋の跡を継ぎたい、と思った原動力の一つに

サラリーマン的働き方は自分には死ぬまで続けられないと思ったことがあります。

これは独立前にコーチングを受けたときに、

家族で毎日晩御飯を食べる風景を実現させたいという思いが

込み上げてきたときにはっきりしたものです。

 

そもそも八百屋の家で育っているので、

サラリーマン的に働きながら家族で暮らす姿が想像できませんした。

夜遅く帰るのが日常的な家庭というものが想像できませんでした。

朝はそれぞれバラバラやけど、夜は家族で過ごす。

これが僕の理想というか、想像できる唯一の家庭像でした。

 

なので、今は可能な限りそうしています。

結果的に今は八百屋になれてそのような働き方、暮らし方ができて

良かったと思っています。

大体一日はこんな感じです。

 

6時位 起きて市場に行く。

7時位 市場をうろうろする。

8時~10時 開店準備と配達準備

10時~14時 配達と昼ごはん

14時~18時 店番

18時 子供を迎えに保育園へ

18時半~20時半 ご飯とお風呂と歯磨きと寝かしつけ

20時半~ 自由時間

 

僕とメッセージを良くやり取りする方はだいたい想像できると

思いますが、店番の時間以外はレスが悪いです。

配達中は運転してるし、夜は子供見てるし、

夜中は意識朦朧としながら気合と根性でテレビを見ています。

なので、朝と夕方です。自分優先ですいません。

 

今の所こども一人育てていて、自分的にはこれしかないな

というギリギリの線で生活と仕事を成立させているつもりです。

昼飯の時間抜くと一日11時間働いていることになりますが、

店番中は相当休憩していますのでそんな感じでギリ疲れないという感じです。

ああ、疲れます。やっぱり。

 

概ね、八百屋を始める前に想像していたとおりといえばそんな感じです。

こういう仕事じゃなきゃ嫌だ、こんな働き方じゃなきゃ嫌だ、

給料はこう、条件はこう、と働き方改革もいろいろあると思いますが、

サラリーマン生活を全部リセットして、住むところも仕事も帰る場合は

まず生活の仕組みを想像してそこにどう近づけるかを考えるのが大事だなと

思いました。

 

この記事は僕の人生の伝道師、

鳥取NPOの代表の玄洋さんに触発されたものですが、

ここに子連れ出勤という概念が定着すると、

もっと良い生活の仕組みづくりができる気がしています。

僕も連れていけるときは連れて行ったりしていますが、

まだ小さすぎて難しいことが多いです。

minnano-ikikata.com

無理をしない2019年に。

実は今年まだ一度もfacebookにも投稿していなくて、

新年最初に何を書こうかと考えていたら、

暇は暇なりにやることが多くタイミングを逃してしまって、

なんとなくブログを書くことから始めてみようと思いました。

年末は八百屋にとって一番忙しく、流石に3年も八百屋をやると

お客さんもついてきてそれなりにかなり忙しい年末となりました。

仕事以外は何もする余裕がなく、年賀状なども完全に後回しになり、

失礼極まりないところではあるのですが、一人であれもこれもやるのは

限度があるという感じになってきました。

その分、正月は完全にオフモードでほぼSNSも見ずに、

氏神様の春日神社で毎年恒例の餅つきをしたくらいです。

それから年明け初仕事は休みの分たまった納品でパニックから始まり、

そこからは閑散期に入るものの残務処理をしていたらそれはそれで忙しく、

ようやく今、ゆとり、みたいな感じです。

3年前、移住ブームに泥舟に乗って特攻してきた僕は

もはやすっかりかんぜんに八百屋です。今更何を言う。

f:id:nishikisyouten:20190117182623j:image

(そういえば、結婚記念日で奥さんと納品先のガストロノミー

    Kyo gastronomy KOZOさんに行ってきました。いついって不思議でおいしい料理の数々。

   おすすめです。)

 

2019年の抱負を書きます。

あまり無理をしない。

これにつきます。

おかげさまで仕事も順調に軌道に乗ってきたものの、

家族、親に頼る仕事スタイルは変えようにもなかなか変えられない。

ただ、親も流石に年を取ってきた。あんまり無理はしたくもさせたくもないなぁ

と感じてしまう日々です。

そして、これ、絶対後継あるあるやんね!

だからそう、今年も後継サードウェーブの波に乗って、いろいろやりたいな。

これは思っております!後継サードウェーブは今勝手に考えました!

集まれ後継サードウェーブな人々!

 

f:id:nishikisyouten:20190117183140j:image

(年越しそばはこれも納品先の拳ラーメンで。京都に拳ラーメンがあるのって奇跡やんね)

 

八百屋という仕事は自分ではあまりなにもできない、

周りの人々に頼っていただけるから、成立する商売です。

そしてまたこの時代に会社を辞めていろいろ挑戦していることについて応援したいと

言っていただける方も多くいて、そういう方々に支えられまくって

今日もぼくは八百屋はできているという気持ちを忘れないように、

無理をせずに穏やかに2019年は過ごしていきたいということで

今年最初の投稿にしたいなと思います。

 

こんなこと書きつつ、多分またいろいろやるんですけどね。

今年もよろしくお願い申し上げます。

一億総常連社会への希望

いや、タイトルは適当なんですけど。

うちには三十年来の常連のおばあちゃんが2人いるんですけど、

それはまあオトンのお客さんなんですけど、

まあそんだけ付き合いが長いといろいろオマケして売りますし、

それもエエもんを安く、ですよ。

見ててエエ買いもんしはるなぁと思うわけです。

ええくだもんほしいねん。

ほな鳥取のええスイカどや、ちょっと余ってるし安しとくわ、

ついでになすびどや、まけとくし。

こんな寸法です。

 

僕も、八百屋になってもうすぐ3年で、

たくさん野菜を買ってくれる仲の良い友達も増えてきて、

そういう友達には相場よりずいぶん安く売ったりするわけですけど、

喜んでくれるじゃないですか。うちもまとめて買ってもらえたらありがたいし。

 

店に来てじーっと値札だけ見てチョロチョロ買うより、

欲しいものを気前よく買っていくほうが後々絶対得なんですよね。

それも、今流行りの信用貯金なんじゃないですかね。

馴染みの店で買うのが当たり前だった昔からある考え方だなと改めて。

 

僕も例えばお肉はとなりのお肉屋さんで買うわけですけど、

隣のお肉屋さんもうちで野菜を買ってくれるので、

お互い持ちつ持たれつ。

豚バラ買ったらちょっとオマケしもらったりっていう日常です。

京都は個人商店がまだ残っている街だから常連になりやすいよね。

別に何千円何万年払えって話ではないですよ。

値札見て一時の十円二十円で買うのをためらうより、

お店の人の顔を見てモノを買ったほうが生きてて楽しいよねっていう、

豊かさとは、みたいな曖昧な言葉の解の一つは常連社会なんじゃないかという、

そんなお話です。


f:id:nishikisyouten:20180630082802j:plain