近藤貴馬(西喜商店 四代目)のブログ

京都の老舗青果店、西喜商店の四代目。㈱セガにて6年間営業職を務めた後、㈱地元カンパニーに入社。「地元のギフト」事業の全国展開を担当。営業のみにとどまらず地域に関わる様々な業務をこなし、2015年に京都にUターン。現在はリノベした京町家に住みながら、西喜商店の事業拡大に取り組む。

八百屋が働き方改革の議論に参加したら貧困問題に直面してしまった話。

昨日訳あって、教育関係のシンポジウムに参加してきました。

某大手人材系企業の急先鋒みたいな方の、

働き方改革についての講演の後、

参加者でグループディスカッションみたいな流れ。

 

講演の内容は、AI全盛時代の到来、副業推進、クラウドソーシング、

ICT活用、二拠点居住とこれからのトレンドをおさらいする感じ。

それを踏まえてこれからはより、個と個の関係性で仕事は生まれますよ

という話で、僕的にはふむふむ〜なのですが、

参加者の多くは学校の先生方で軒並み皆様厳しいお顔。

 

なんでブログに書こうかと思ったのかが、ここからなのですが、

そのあとのグループディスカッション内容が鮮烈だった。

僕のグループは、お一人金融機関の方で、あと4人が学校現場の方。

みんなしかめっ面。議論が進まない。

開いた口から出てきた言葉は、

「貧富の差がますます加速する公立学校の現場で、

 君たちが働く頃には社会にAIが完全普及して、

 今の働き方が通用しなくなると伝えたところで、

 どれほどのこどもがそれに対応できるのか」

「15〜20年まえであれば、それも踏まえてある種の強制力を

 働かせることができたが、モンペ全盛のこの時代に

 こどもたちに強く言えない。説得力が効かない。」

「現場の教員はそういう悩みが尽きないことと

 個別対応が多すぎて、とても働き方改革なんかできない」

という後ろ向きな議論に終始しました。

 

うへー、暗いーと思ったんですけど、ここでもやっぱり貧富の格差。

結構強烈でした。

何回か書いてるんですが、八百屋で野菜売っていると

本当に貧富の格差の拡大がよく分かるんです。

それが資本主義社会の経済原理なので正しいんですけど、

僕がいつもシェアするおいしい野菜はお金がある人が買っていく一方で、

毎日ベビーカー押しながら見切り品だけ買っていく若いお母さんもいるんです。

そういう人たちが育てるこども、あるいはその人達に、

はい来年からAI化するんです、その仕事無くなります、

とか言ってももうなんにも説得力ないし伝わらないんですよね。きっと。

今生きるのに精一杯すぎて。

 

実際の中学生と会って話したわけじゃないのでわからないんですけど、

教育格差もこれからさらに進むだろうし、

どうしたらいいんでしょうね。

今ぼくがやっているフードロス対策、

あるいはこども食堂、コミュニティ食堂への支援。

この辺わりと重要な気がする。

学校で支えきれなくなったものを受け止める現場、

こどもの健康をどうやって支えるか。

その先あるのが未来の働き方改革?

 

悩ましいなぁと思ったので、思わず書きました。