近藤貴馬(西喜商店 四代目)のブログ

京都の老舗青果店、西喜商店の四代目。㈱セガにて6年間営業職を務めた後、㈱地元カンパニーに入社。「地元のギフト」事業の全国展開を担当。営業のみにとどまらず地域に関わる様々な業務をこなし、2015年に京都にUターン。現在はリノベした京町家に住みながら、西喜商店の事業拡大に取り組む。

ANA 命日 衝動

おはようございます。
なんとなくそういう気分なので、多分はじめて外向けに書くのですが、今日は僕の人生を変えた友達の命日です。13年前、かな?
もう流石に書いてもいいかなと思いまして。
みなさん何のために生きていますか?
まあもちろん自分の為とか、家族の為、子どもの為、っていうのが一番です。でもその、衝動ってあるじゃないですか?
ありませんか?
あったほうが人生楽しいですよ。衝動。
長い人生いろいろ計画を立てて考えることも大事なんですけど、岐路に立たされた時に一番大切なのは「衝動」僕はそう思ってます。
彼女は高校の同級生です。見た通りの見た目でまずなんで僕と仲良くなったのかマジ不明かと思うんですけどまあ仲良かったです。少なくとも僕はだいぶお世話しましたし、してもらいました。あ、写真は21歳の時の写真です。まあ、彼女は高校のときからスパスパゴクゴクでしたけど。
僕、生徒会長でした!とか言ってるんですけどそこそこ辛い高校生活でして、当時僕意識高すぎて、全校生徒の4割8分から矢を放たれて、あと2分ひっくり返っていたら討ち死にだったんですけど、意識高い系に対して懐疑的なのはその影響なのですが、そんなズタボロの僕を支えてくれる杞憂な友達も50人くらいはいて、そのおかげでなんとか死ぬ寸前で命拾いはしたのですが彼女はそのうちの筆頭、というところでしょうか。
高二のクラスが一緒で、疎外感バリバリの僕がある日新品のTシャツを来ていったら「MMMMMMMMMM」ってサイズ表示したシール貼りっぱなしで、なんか周りにクスクス笑われてて、また意味もなくあざ笑いやがってと思っていたら彼女が剥がしてくれて、なんかそこから急に打ち解けて、そこからずっとふたり(厳密には3人)で授業受けてました。席替えあっても適当に席変えて二人でならんでました。
そこから僕は生徒会長、彼女は文化祭実行委員長として疎外されているのに突き抜ける選択肢をとりまして、まあいろんなことがあり、いろんな友達といろいろある中で、文字通りの青春時代を共にしまして、辛く楽しい高校生活を彼女と一緒にすごした自負はあります。
保守的な僕に対して卒業のタイミングで丸坊主にしてくる奔放すぎる彼女は完全なる憧れの存在であり、なのに全幅の信頼を置いて僕に頼りまくってくるただの友達でもありました。
卒業式の日、一緒に帰ったんですよ。阪急で。あいつ実家長岡天神ですから。昼過ぎに家に帰るとかまゆみには珍しい話やと思うんですけど、普段家帰って無かったでしょ多分あいつ、最後に別れ際あいつ僕にこういうたんですよ。
「一緒にビッグになろう」
握手して西院で降りましたけど、そんな熱いこと言う?いや言うんですよあいつは、僕に。
僕は今でも誓ってますよ。その言葉を胸に。
普段何を近藤いろいろめんどくさいことをっていうの、あると思うんですけど、僕の人生を突き動かしている要素の一つにはこの約束があります。だからこれからも僕はめんどくさいやつです。
彼女は確実にビッグになる、売れる才能があった。多分、みんなそう思ってるやろ?惜しいところまでいった。僕は普通に進学したけど、彼女は夢を追いかけて東京に行って、専門行きながらバンドやって、KERAで人気モデルになって、テレビのオーディションも通って、もう一歩やった。もう一歩やったのになぁ。
死んだのに気づいたのも死んでから半年くらい経ってて、なんでやねん。今みたいにSNSが発達してて、もっと支えてあげてればなっていう後悔は、めっちゃある。届かなったし、僕らも若すぎて届けようも無かった。
同級生のみなさん、お墓は東福寺にあります。場所は聞いてもらったら教えます。死に際も、一番知ってるのは僕やと思います。学校にも何の連絡も行ってなかったので、みんなで最後に一緒にいた人に真相を聞きに行きました。
僕に全幅の信頼を置いていたって、自信満々に書きました。お墓参りの際、お父様にお会いし、「君がとおま君か…いつも家でとおまとおまって言っていました…」と教えてもらいました。その時はじめて泣きました。
彼女は客観的に見て明らかに道を踏み外して最後を遂げました。人生において最も大事なものを見失っていたと思います。
衝動を忘れてたと思う。まあ衝動的に死んだんですけど。
高校の時のあの衝動を忘れてた、絶対。
覚えてたら死んでない。覚えてもらえてなかった自分の無力さを感じました。いやまあ僕のことはどうでも良いんですけど、あんなに一緒に笑ってた友達のことは覚えていてほしかった。
ということで、僕はこれからも衝動を大切に生きていきます。
年に一回衝動を思い出す日です。
みなさんも衝動を大切に生きてくださいね。
 
 
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