近藤貴馬(西喜商店 四代目)のブログ

京都の老舗青果店、西喜商店の四代目。㈱セガにて6年間営業職を務めた後、㈱地元カンパニーに入社。「地元のギフト」事業の全国展開を担当。営業のみにとどまらず地域に関わる様々な業務をこなし、2015年に京都にUターン。現在はリノベした京町家に住みながら、西喜商店の事業拡大に取り組む。

和歌山若手果樹農家三銃士巡り

体育の日の休日を使って、

和歌山県に言ってきました。

狙いは去年はるばる当店を訪れてくれた若手農家3人に

会いに行くことです。

一軒目は、有田川町の松坂農園さん。

YN26(とても新しい品種の早生みかん。おいしい。濃い)の

園地を見せてもらいました。

f:id:nishikisyouten:20171012162958j:plain

出会いは京都わかもん会議。

(こうやって、若者同士をつなげて事業につながっているんだから

 とてもいい企画だったということですよね)

京都の大学に行かれていたこともあるかと思いますが、

ものすごく行動力もあって、気が合う、という感じです。

みかんの傷を見分けるためのひみつ道具?を見せてもらいましたが・・・

賢いな〜っていう印象です。

f:id:nishikisyouten:20171012164416j:plain

あと、みかんという果物は誰のためにあるのか、

値段の付け方、本当に食べてもらうべき人は誰なのか、

この辺の話で意気投合。

野菜、果物はお金持ちのためのものではない。

なるべく多くの人の体と心の健康に寄与すべき仕事なのではないか。

この話は長くなるので次へ。

 

 

 

f:id:nishikisyouten:20171012164546j:plain

善兵衛農園の井上さん。

お祭りの準備で忙しいところかけつけてもらいました。

若くして、先祖代々続く田村みかんの生産に携わっておられます。

田村みかん。みかんのトップブランドです。

京都市場にも最も多く入荷する産地の一つであり、

僕も子供の頃から食べ続けているみかんの産地。

立地、土壌、環境、全てにおいてみかんを作るのに最適な土地。

f:id:nishikisyouten:20171012164919j:plain

田村の山の上から見下ろす景色。

恥ずかしながら知らなかったのですが、

田村は地名ではなく、「田」という地区の村で

田村、とのことで・・・勉強になりました。

 

f:id:nishikisyouten:20171012165254j:plain

田村みかんの出荷場。

ここから、全国に田村みかんが出荷されていきます。

 

最後は、和歌山市に戻りまして、

桃、柿が主力の山本農園さん。

f:id:nishikisyouten:20171012165447j:plain

甘い果物がメインですので、

とにかく糖度に対するこだわりがすごい。

理詰めで糖度を上げていく姿勢、話が面白い。

f:id:nishikisyouten:20171012165930j:plain

 

桃はもう終わってしまいるんで、これからは柿。

僕、実は柿が苦手なのですが、これなら食えるでしょ近藤さん

っていって出してもらったのが太秋柿。(写真のは違います)

柿って言うより梨だから、って言って出してもらって、

もちろん柿なんですけど、甘ったるくないけど甘い、すごい美味しい柿なんです。

これ、来週の目玉にしますので。

 

総じて、産地へのご挨拶、見学はおもしろい。

それはみなさん命かけてモノづくりしてるから

ことばに嘘がなくて魂こもってるからですね。

もちろんそういう農家さんめがけて言っていいるということもありますが!

 

次はどこへ行かせていただこうか。行きたいところはたくさんありますが・・・

 

松坂さん、井上さん、山本さん、お忙しいところご協力頂き

ありがとうございました!

f:id:nishikisyouten:20171012171547j:plain

f:id:nishikisyouten:20171012171705j:plain

 

 

 

八百屋を初めて2年が経ちました。

一応、2015年の8月22日に西喜商店の

小売業を再開させたということで、

この日を継業記念日と定め、2年が経ちました。

だいたいこういうことを言うと、

まだ2年?もっとやってそう、と良く言われますが、

地元カンパニーに転職したときから地続きで今日まで

来たと思っていますので、

そういう意味では個人的には4年ちょっとやってきたという感覚です。

自由な働き方になって4年、という感じですね。

 

自由な働き方、というのはつまりセガという大きな会社を辞めて

組織の歯車として働くのでは無く、

その場その場で自分の意思、判断、決断、責任で行動する働き方、

という感じですかね。

地元カンパニーももちろん株式会社ですから、

会社のために働いていたのですが、

自分の意志を大きく尊重してもらっていたように思います。

 

ただ、八百屋業としては2年ですから、

あくまで転職2年目。

転職された方はわかってもらえると思いますが、

ようやく地に足ついてきた程度で、

自分の中でまだまだ感が強いです。

それでも半ば勢いで八百屋をやるぞと威勢よく

京都に帰ってきて、2年続けられてよかったと、

ホッとしているところではあります。

90年続いてる八百屋を潰すのはもったいない、

続けることは尊いこと、価値が有ること、

継続は力なり、

自分にしかできないこと、

衝動、生きている感覚が欲しいから、

そういう精神性先行でやって、

でも2年続いて、今日も明日も続けられそうでよかった、

そんな感じです。

 

 

情報発信というのはいい事書くときのほうが多いし、

いい感じに見えるかもしれませんが、

実態は父親とはうまくいかないし、

子育てしながらだと自制することも多いし、

奥さんと母親には迷惑かけることが多いし、

なかなかうまくいきません。

それでも応援してくれる家族のためにがんばるぞ、

応援してくれるみんなのためにがんばるぞ、

野菜、果物を買ってくれるお客さまのためにがんばるぞ、

野菜、果物を納めてくれるつくり手さんのためにがんばるぞ、

そうやって自分を奮い立たせて、

誰かのために今日も僕はがんばりたいと自分を奮い立たせています。

 

特に何かが変わるわけではないのですが、

自分自身の思いの記録として書きました。

 

それでも継業は、起業よりやりやすし、

東京でふんづまっているひとがいて、

もし跡継ぎできる環境があるなら、

人生の一個の選択肢にしてほしいなと思います。

お金のこととかありますが、

幸福感は得やすいです。

そんなことはこれからも伝えていきたいですね。

どうぞこれからもよろしくお願いします。

f:id:nishikisyouten:20170415181432j:plain

職業に貴賎なし

八百屋という仕事をしていると

割りと頻繁に見下されることがあります。

 

パターンとしては、

店舗にいらっしゃる女性のお客さまですね。

これは年齢問わずです。

一段上の目線からタメ口でお話をされてきます。

近所の高齢のおばあちゃんが孫に話しかけるようなタメ口とは

違う類のものです。

「一見」職歴が浅そうな方が多いですが、

これは私の偏見です。

でもなぜか男性の方からのそれは少ないです。

タメ口の場合でも、それは上司から部下のタメ口のような感じです。

つまり一回りは上の人からのみで、同世代でタメ口を使う方はいらっしゃらないです。

 

 

もう一つは大型店への納品の際、

恐らく非正規雇用のスタッフの方からぞんざいに扱われるパターンです。

俺はお前のことを知らないからその辺置いとけ、的な対応のやつですね。

この場合、オーナーさんや店長さんからこういうことをされることは一切ないです。

むしろこんな吹けば飛ぶ仕事をしている人間にも丁重な対応をされる方ばかりです。

 

別に媚びへつらってほしいということではないですが

(いや、本当は媚びへつらってほしいですが)

八百屋だから偉いわけでもないし、会社の社長だから偉いわけでもないし、

職業を見て態度を変えるというのは人としてはどうかなといつも思います。

八百屋のくせに、とかラーメン屋のくせに、みたいな言葉と

医者のくせに、フレンチのシェフのくせに、という言葉に

違いはあるのでしょうか。

◯◯のくせに生意気な、

という考え方はドラえもんの世界でとどめておくべきではないでしょうか。

まあ、やっぱ教育とか社会経験なんでしょう。

 

そうか、肉体労働者、ブルーカラーの人を下に見ているのかと、

ここに来て気が付きました。

スーツ着て八百屋しようかな。

 

f:id:nishikisyouten:20170805013421j:plain