近藤貴馬(西喜商店 四代目)のブログ

京都の老舗青果店、西喜商店の四代目。㈱セガにて6年間営業職を務めた後、㈱地元カンパニーに入社。「地元のギフト」事業の全国展開を担当。営業のみにとどまらず地域に関わる様々な業務をこなし、2015年に京都にUターン。現在はリノベした京町家に住みながら、西喜商店の事業拡大に取り組む。

twitterがスーパーバズって起こったこと感じたこと

全くなんの気無しに投稿したTwitterが激しく拡散されました。

最初は、この世で最も素晴らしい青果流通漫画「八百森のエリー」の

作者仔鹿リナさんのご主人で、茨城県の仲卸に務められている方の

このツイートを見て、

 

 

「ああ、ちぢみほうれん草なあ、美味しんやけど、関西は馴染みがないから

あんまり売れないんよなぁ」と、ただそう思っただけでした。

いつものフードロスがどう、とか、地域活性化がどう、とか、農業の未来がどう、

みたいな、そういう考えはゼロ、ただ思ったことを引用RTで書き込んだ、

ただ、それだけでした。思いゼロ、は言い過ぎか、とにかく熱はない。

 

 

それが、謎の1.7万RT、2.4万いいね。

SNSってよくわからないものですね。

ちなみに流れですが、最初はfateとか刀剣乱舞のヲタ系の人がRTしてて

100くらいになって、こういうことは前もあって、

ヲタ系のつながりって強いよね〜と思ってたんですけど、

どういう経緯か、占い師の鏡リュウジさんがRTしたことから加速度的に

数字が伸びて、その先はちょっとよくわからないです。

 

当然すぐに人に自慢したい気持ちになりましたが、

通知が止まらなくて、なんかTwitter触るのがめんどくさくなりました。

通知をオフにすればいいだけのことですが、

500しかフォロワーがいない、FBより貧弱な僕のTwitter

このまますべてを受け入れると何が起こるのか気になってそのままにしてみました。

結果、何が起こったのか、どうぞ。

 

ツイートがバズって起こったこと

1)フォロワー数の変動

  300増えた。野菜の流通、小売の情報が知りたいようだ。

2)知り合いから言われる

  信号待ちしてる所見たで、と言われる頻度の20倍くらいの感じで、

  知り合いから声をかけられるが、みんなTwitterは匿名でやっているので、

  積極的に交流を求めてこない。

3)ちぢみほうれん草は売れない。

  Twitterを見ている人で店の近所にいる人がいたら、

  それはそれで奇跡的な確率なので、ちぢみほうれん草は売れない。

4)意外とクソリプは来ない。

  野菜が好きな人しか絡んでこないので、クソリプはほぼない。

  一件来たけど、ヤなことそっとミュート。

5)リプ返してもうざがられない。

  どうなるか興味があったので、リプはほぼ全部返信しました。

  引用RTにはリプしてないです。

  結果、200〜300くらいは返したと思うけど、

  ほのぼの会話をしただけで終わった。

 

なぜバズったか

これは一言で言えます。

 

「誰でも簡単に上から目線でマウント取れたから」

 

これに尽きます。

引用RTとリプの8割以上は、

「えー、あんなにおいしくて栄養あるのになんで売れないの?

 私は見かけたら絶対買います!」

という、知らない人に対して知っている自分が感じた優越感からくる投稿でした。

これは学びになりました。

いつも青果流通における野菜のロスの問題について情報発信していますが、

こっちからアプローチしたほうが伸びるんですね。当たり前か。

また、ちぢみほうれん草という、食卓に上げやすく且つ知る人ぞ知る感のあるネタで

あることも絶妙だったんだと思います。

 

知っている人の知識欲、優越感を刺激したほうが情報は広まりやすいんですね。

気持ちはわかります。僕も好きなバンドでよくやります。

 

 

メディアに取材してもらいました。

京都新聞さんのネットニュース担当の方に取材に来てもらいました。

ヤフーニュースにも転載されています。

headlines.yahoo.co.jp

 

普通こういうニュース記事ってあんまりコメントつかない印象だけど、

今見たらすごいコメントついてて、内容もTwitterで来たものと同じなので、

やっぱりいかに人を傷つけずにマウント取りやすい素材を提供するかって、

WEBマーケティングにおいてすごい重要だなと勉強になりました。


最初は、もっと普段気持ち込めてる意識高い系の投稿がバズればいいのに、

って思いましたけど、しがない八百屋の心情よりは、自分。

自分が他人よりも知っていることを知ってほしい、

という感情を刺激するのがコツだな、と学びを得るとても良い機会になりました。

 

今後も、情報発信をがんばって、人の役に立てる人間になれるようにがんばります。