近藤貴馬(西喜商店 四代目)のブログ

京都の老舗青果店、西喜商店の四代目。㈱セガにて6年間営業職を務めた後、㈱地元カンパニーに入社。「地元のギフト」事業の全国展開を担当。営業のみにとどまらず地域に関わる様々な業務をこなし、2015年に京都にUターン。現在はリノベした京町家に住みながら、西喜商店の事業拡大に取り組む。

職業に貴賎なし

八百屋という仕事をしていると

割りと頻繁に見下されることがあります。

 

パターンとしては、

店舗にいらっしゃる女性のお客さまですね。

これは年齢問わずです。

一段上の目線からタメ口でお話をされてきます。

近所の高齢のおばあちゃんが孫に話しかけるようなタメ口とは

違う類のものです。

「一見」職歴が浅そうな方が多いですが、

これは私の偏見です。

でもなぜか男性の方からのそれは少ないです。

タメ口の場合でも、それは上司から部下のタメ口のような感じです。

つまり一回りは上の人からのみで、同世代でタメ口を使う方はいらっしゃらないです。

 

 

もう一つは大型店への納品の際、

恐らく非正規雇用のスタッフの方からぞんざいに扱われるパターンです。

俺はお前のことを知らないからその辺置いとけ、的な対応のやつですね。

この場合、オーナーさんや店長さんからこういうことをされることは一切ないです。

むしろこんな吹けば飛ぶ仕事をしている人間にも丁重な対応をされる方ばかりです。

 

別に媚びへつらってほしいということではないですが

(いや、本当は媚びへつらってほしいですが)

八百屋だから偉いわけでもないし、会社の社長だから偉いわけでもないし、

職業を見て態度を変えるというのは人としてはどうかなといつも思います。

八百屋のくせに、とかラーメン屋のくせに、みたいな言葉と

医者のくせに、フレンチのシェフのくせに、という言葉に

違いはあるのでしょうか。

◯◯のくせに生意気な、

という考え方はドラえもんの世界でとどめておくべきではないでしょうか。

まあ、やっぱ教育とか社会経験なんでしょう。

 

そうか、肉体労働者、ブルーカラーの人を下に見ているのかと、

ここに来て気が付きました。

スーツ着て八百屋しようかな。

 

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だれにお金を払いますか?

夏野菜は安いんですよ。

もちろん。

なすもきゅうりもトマトも市場に入荷するものは安い。

今が旬ですから。

 

昨日お客さまがいらっしゃいまして、

土生姜をうちの近所の八百屋さんで買おうと思ったら

とても高い値段で売っていたので、

人を馬鹿にしていると思って買うのを止めて

うちに来たとおっしゃいました。

確かにうちには安い土生姜があります。

 

しかし今、八百屋さんがまともに高知県産の上等の土生姜を仕入れたら

100g200円近くで売る必要があるはずです。

いわゆる土生姜の時期はこれからですから。

八百屋さんも仕入れ値に3割位利益乗せて、

さらに消費税乗せたらそれくらいになるはずです。

 

これはどうですかね。

人を馬鹿にしていることでしょうか。

その場は適当に、それはしょうがないですね〜と流しましたが、

生産地で労働している人から野菜や果物を仕入れると

それ相応の価格がするものです。

それを広く不特定多数の方に、なるべく良いものをお売りしようと

八百屋ががんばるとそれ相応の価格がするものです。

 

いつもお伺いしますが、

だれにお金を払いますか?

お金を払うことは経済をどう取り回していくかの意思表示ですね。

野菜や果物、食費は家計の中で一番削り安い部分ですが、

最終的にツケが回ってくるのは消費者の皆様だということを

お忘れにならないように。

価値のあるつくり手さんにお金が回る仕組みをつくることが、

今一番大事なことですから。

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神戸市西区〜丹波市〜篠山市にいってきた

メインの目的は、ポン真鍋氏にお誘い頂いて、

神戸大学・篠山市農村イノベーションラボ主催の

ラボ・オープントークというイベントの

栄えある一回目のゲストスピーカーとしてのお招き。

創業支援の活性化の中でテーマを「継業」に設定されたので、

ドンピシャということと、一回目ということで実験台にもちょうど

扱いやすかったと思います。笑

外に出る機会は少ないので、

ここぞとばかりに兵庫県のいけるところをぐるっとしてきました。

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明石焼きを食べた後、最初の訪問先は

神戸市西区、ほぼほぼ明石市一歩手前。

入手が難しい有機ルッコラを沢山仕入れさせていただいている、

池上農園さんを訪問。有機JASを取得。電子技法についてのレクチャー。

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葉物がメインの有機農家さんですが、キャリアが長く圃場も広大。

全てハウスで、この季節でも葉物を安定出荷してくださる心強いつくり手さんです。

このあと、丹波市に移動。

ふえのみち農園の横山くんを訪問。

これは同行してくれた、武中製菓の武中くんの紹介。

大学の同級生とのこと。ぼくの好きな地域なんとか面白い系のひと数珠つなぎ。

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アンデスレッド(皮の赤い、ホクホク系の甘いじゃがいも)

仕入れて帰りました。これからじゃがいもが旬です。

ポテサラやるなら実は今・・・

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採れたてを蒸して、その場で食べる。

結局それが一番うまいんですよね。

でも、それは普通は無理なんで、

だから八百屋とかスーパーに並んでいる、

今が旬だよっていう食材を調理して食べるのが一番なんだよっていうことは

一生伝えていきたい。

ただ、偶然の偶然、インカのめざめが埋まっていて、それが至高の味ではありました。

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本丸の篠山市に到着。

三田に移住して、篠山を拠点に活動する真鍋さんにより篠山観光案内。

半分は義理のご両親の半生の紹介。それは観光名所ではない。

 

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それっぽい写真。

 

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一回目で10人位のメンバーでしたが、

京都の八百屋が話すということで3名は農家さんで、

話の半分は野菜の話になりましたが、

継業、特に人のいない地域では第三者継承の可能性をどう探るか、

地域活性化なんとかかんとかはどの地域も金太郎飴の中、

継業支援の一点突破はまだ話題性があるので、

切り口としては絶対ありだと思うんですが、どの地域が先手を取るか

みたいなことを考える時間でした。

篠山はその旗手になる可能性がありますね。

 

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地元カンパニーの児玉さんの縁であったのが5年前。

セガレ・セガール時代。

あの時自由が丘のとりてつで独演会を開いていた人と、

5年後こんな写真を撮ることになるとは夢にも思わず。

おもろいわー、ほんまおもろいわー、な一日でした。

眞鍋さん喋りすぎるのでこちらも声がかれました。

良い水曜日でした!